離れていても部屋に漂う仄かな南国の香り。
味もさることながら文旦は香りの果実ですね。すっかりその香りの虜に。
不意に高知から届いたのはまだ寒さの残る先月のことでした。
思えば今回の展示会への道のりは、初めてお会いした二年前からずっと
ギャラリーの石川さんに見守られながらの歩みだったような気がしています。
「未 草」の活動は多岐に渡り、自分達でも説明が難しく
こういう事を目指していたのかと真に理解してもらえるのはおそらく30年後。
少なくともその原型をお見せできるまでに12年の計を立てています。
今はまだ何者でもない「未 草」から何かを感じ取り
こうして何度も呼んでくださったり、折に触れて気にかけてくださる石川さんへの
感謝を将来、自分達は決して忘れてはならないと思っています。
そしてこれは今この時期の「未 草」を支えて下さっているお客さんにも
全く同じことが言えます。心から、ありがとうございます。
己で選んだ道とはいえ、本当に多くのことを自分でしていかなければならず
時に途方にくれます。もう若くないのか体調もブレーキをかけてきます。
必死に動けど全ては少しずつしか進まず、歯痒い思いは募るばかり。
けれど焦らず、地道にコツコツと積み上げてゆくしかありませんね。
「小さいことを重ねることこそが、とんでもないところに行く唯一つの道」
前人未踏の道をゆくイチロー選手の言葉に奮い立たせられます。