春を告げる花、スノードロップ。先日の雪の日、庭の鉢を部屋に飾った。
フェルメールの絵画を思わせるような英語名の「雪の耳飾り」も
和名の「待雪草」も共にとても綺麗な名だ。
欧州では古くから親しまれている花で、修道院にもよく植えられているらしい。
廃墟の修道院に群生するスノードロップ。そんな風景にいつか出会えるだろうか。
うちの前の敷地にはかつてもう一軒 米軍ハウスが建っていた。
今はもうなんの跡形もない空き地だが、冬のある時期だけほんのひと時
かつての庭の面影に出会える場所がある。土地の文字通りの片隅。
そこに水仙の花が毎年ひっそりと顔を現す。
植えた主がとうにいなくなったその場所で今もなお、誰に見せるでもなく
ただただ静かにうつむき咲いている。
どんな人がいつ、どんな思いでその球根を植えたのかはわからないけど
その水仙の咲く姿はなんだか妙に自分の心の琴線に触れてくる。
一面に群生する花も美しいが、片隅でひっそりと咲く花の姿もまた美しい。