世界でいま 蜜蜂たちが激減している。
養蜂への甘い幻想を打ち破るのには十分な内容だった。
スイスの山奥にて在来種の蜜蜂で昔ながらの養蜂をする老人の元へも
近くの谷から輸入蜜蜂がやって来て交雑を進め、病気を蔓延させる。
祖父の代から蜂を愛してきた人間が押し黙って蜂を焼却処分する姿に胸が痛んだ。
2000年代、大規模アーモンド栽培で「アーモンド・ゴールドラッシュ」とも呼ばれ
世界全体のアーモンドの8〜9割を産するようになったカリフォルニア。
うちにあるアーモンドの表示を見てみるとやはりカリフォルニア産だった。
だがそこには不気味なまでの不自然な「自然」の姿と、農薬・抗生物質等、
薬漬けの蜜蜂たちの姿があることを自分は全く知らなかった。
蜂蜜にしろアーモンドにしろ、ついつい安いものを手に取ってきた。
もっとアンテナをしっかりと張って現実を知らなければと強く思った。
今まで「住」に重きを置いて活動してきたが、移住して家が完成してからは
「食」についてもより真剣に取り組んでいくつもり。
見習いたい人達との出会いにも恵まれ、これから学びたいこともたくさんある。
暮らしにまつわるすべてを出来うる限り自らの手でこなしたい。
そこにはきっとたくさんの生きる喜びがある気がするから。
そしてそれをこの世界に少しでも多く呼び戻したいから。