美しく暮らしたい

すべてを自らの手で作る暮らし

できることから

ひとつひとつ

「人 類」



人類も自然の一部であるのならば、
我々は何のために生み出され、どういう運命を背負った存在なのか…

時々、ヒトであることが悲しくなってしまう。





地 球 09:31 -
「彫 刻」
 
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伊豆での展示会が始まりました。


ちょうど一年前に会場を下見に訪れた時、
古い木造倉庫を改装したこの空間に胸が高鳴りました。

むき出しの小屋組、室内にも絡む蔦、土間に射す光、
そのまま残された巨大な鉄の機械。

そしてその時に思いました。
ここではずっとやりたかった展示をやりたいと。
大きな彫刻を数点、薄暗い自然光の下にポツンと置く。
それだけの展示。



実物大に近い動物彫刻を3体のみ。
いつものような家具や作品は作りませんでした。
それらを期待してくださった方々、申し訳ありません。

ですが、自分の頭の中だけに数年来ずっと存在していたものに
形を与えそこから出してやる事が出来て少しホッとしています。

ずっと大事にとっておいた大きな流木に、
黒姫で自ら倒した大木を新たな軸に加え作品作りを進めました。

「材料から自らの手で」という想いが少しずつ形になってきています。
こういうもの作りがずっとしたかったのです。





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彫 刻 14:13 -
「漂 う」
 
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まだ薄暗い早朝。
庭の睡蓮鉢を覗くとそれが一面に浮いていた。
何の卵だろうとよくよく顔を近づけると
弾けた植物の実の残骸を発見。
なんと水面に蒔かれたヒツジグサの種だったのだ。

見たことのない不思議なその姿に思わず感動。
静かに美しく光り漂う種。
その姿はどことなく宇宙を感じさせた。


それは遠い記憶を蘇らせもした。
オーストラリアの島で真珠養殖の仕事をしていた時のこと。
浜辺に真珠貝の卵たちを孵化させる小さな研究所、
というよりは小さな小屋があった。
大きな水槽が並び、机には顕微鏡、
そして口数の少ない主が独り黙々と何かに取組んでいる、
そんな場所だった。

そこが好きで暇をみては時折出入りしていた。
ある日彼が見せたいものがあると言って、
部屋の明かりを全て消し、懐中電灯の光を水槽にそっと当てた。
そしてそれを覗き込むよう促した。

その時目にした光景を自分は一生忘れない。
漆黒の闇に輝く無数の生命の光。
音も時間もどこかへ消え去ったかのような
不思議な感覚に包まれ立ち尽くした。

 
あらゆる生命、地球、そして自分自身、
全ては繋がり漆黒の闇の中を時空を越えて漂っている。
自分の周りの存在に、自分の中に宇宙を意識し生きてゆくこと。
このことをヒトは忘れてはいけないのだと思う。
この意識の薄れと人類の過ちとには
深い関係がある気がしてならないから。





 
生 物 10:28 -
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