美しく暮らしたい

すべてを自らの手で作る暮らし

できることから

ひとつひとつ

「残 照」





「未草展」を終えてからすぐに黒姫に向かい 
長いこと滞在していたので久々にPCに触れています。


自宅兼アトリエでの「未草展」。 予想を遥かに超えた
たくさんの方に来て頂き本当に感謝しています。
ありがとうございました。 


二度三度と見えられた方が多かったのも嬉しいことでした。 
blogを読んで共感して、という方が非常に多かったのも
今回の特徴でした。 

白いカーテンを小さく揺らす午後の風。
薄い生地を通した優しい光。 庭の香り。
そこで交わされたたくさんの言葉たち。 
思い返すと幸せな9日間でした。 

「古い建物が纏う独特の雰囲気 
 剥がれ落ちた壁の陰翳 
 軋む床の音 
 そんな全てと作品が渾然となった 
 ひとつの世界を作り出せたらと思います。 」

展示会前に謳った言葉です。
作りたかったのは空気のようなもの。
差し出したかったのはひとつの思想。

それぞれの心の井戸に小さな波紋を落とせたのなら
嬉しいです。



この家に「本当に住んでいるの?」
とよく聞かれましたが本当にここで暮しています。 
そして無理をして生活している感覚も全くないのです。 
既に十分便利な世の中に生きているので、
多少の不便は意外と苦にはならないものです。

「大草原の小さな家」のような暮らしに幼い頃から憧れ、
実際にオーストラリアでそのような生き方をしてきました。
そしてそんな暮らしを目指しかれこれ十年以上準備しています。 

それに比べると今の暮らしは自分にとって夢物語でも何でもなく、
むしろ「東京」の「現実」の暮らしです。
矛盾だらけで苦しいのです。 


人生かけて伝えたいこと。
周りにある自然と既にあるものを上手に利用すれば 
人は十分豊かに幸せに、そして美しく暮すことができます。

世界を旅し、文明に飲みこまれていない人たちの暮らしを
覗いてみても強く思うことです。

なにも海外に目を向けるまでもありません。
ひと昔前の日本人の暮らしもまた、世界からこぞって
賞賛されるほどの美しいものであったといいます。 

人や世界は今、美しさからどんどん遠ざかっています。

美しいという言葉をストレートに口にするのは 
ちょっと気恥ずかしい様な空気があったりしますが、 
敢えて言い続けています。 

人はもっと美しくあれるし、世界ももっと美しくあれる。

自分はそう信じています。 










「うつくしいものの話をしよう。 
 いつからだろう。ふと気がつくと、 
 うつくしいということばを、ためらわず 
 口にすることを、誰もしなくなった。 
 そしてわたしたちの会話は貧しくなった。 
 うつくしいものをうつくしいと言おう。
 風の匂いはうつくしいと。渓谷の
 石を伝わってゆく流れはうつくしいと。
 午後の草に落ちている雲の影はうつくしいと。〔略〕」               
    
 
 『世界は美しいと』 長田弘  






雑 記 16:45 -
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