幻想的な霧の世界。
映画みたい。
少し前の話になるが、
五月の連休に少しだけ黒姫に立ち寄る。
信州にも春は訪れているというのに、この高原は別世界。
あったのは枯れ木のままの霧深き森と静寂。
桜前線はここだけ通り忘れて、東北へ去って行ってしまったようだ。
伺ったところによると、今年は春の訪れが遅れているらしい。
でもそのぶん、やって来る春の素晴らしさと言ったらないそうだ。
きっと北海道みたいに爆発するような春の訪れが来るのだろう。
とても感動的なのだと思う。
しかしこの昼とも夕ともつかぬ幽暗な世界もまた
不思議な緊張感があっていい。
彼岸と此岸の境。
夢幻とのあわい。
この道の先は何処へ・・・