美しく暮らしたい

すべてを自らの手で作る暮らし

できることから

ひとつひとつ

「大晦日」

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2010年  

人生が大きく動いた年だった。
自分が根を下ろす土地についに出会った。
そこに導いてくれた全てに感謝。
地に伏し、ながいながい祈りを何かに捧げた。
そこに生きる許しを乞うた。

そこでこの生命を全うしたい。
自分に授けられた名のように
一本の大きな樹となりたい。
そしていつの日かまた土に還る。

来年から
移住計画始めます。





黒 姫 18:07 -
「額紫陽花」
 
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透ける花脈が綺麗。
夕暮れ時の益子にて拾う。

友人の引越しの手伝いに行ったので
益子を散策する時間はほとんど取れなかったけど、
日本古来の額紫陽花がよく似合う土地だなと思った。






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机の片隅で光を纏う額紫陽花
花のまた一つの咲き方




日 日 20:36 -
「贈り物」
 
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「一歳になる我が子への
 誕生日とクリスマスプレゼントに」

という依頼だった。
依頼主さんのお子さんがよそのお宅で
この小椅子をとても気に入りずっと座っていたから、とのこと。

胸が一杯になった。

顔はわからないけれど願いを込めて
花とリボン、ほんのささやかな気持ちを添えて届けた小椅子は今
「誇らしげに」座るその子の小さなお尻を支えている。





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小さい時のお気に入り。誰しもあったと思う。
自分にもあった。

自分の作ったものが誰かのお気に入りになる。

これはこの仕事を始めるまで想像だにしなかったこと。
凄いことだと思う。

小さな子への贈り物に限らず
大切な奥さんにとか、新しいことを始める自分にとか
そんな言葉と共に作品を選んでいただくことがある。

ものを作る人間にとって
それは何よりも嬉しくかけがえの無いもの。
またそれがないと続けてはてゆけないもの。

自分の作るものや人生に何の意味があるのかと
時々迷子になる。

そんな時そっと手を引いてくれるのは
思いがけないところから届くこういった
言葉だったり想いだったりする。

続けさせてもらうにはもちろんお金も大切だが
それだけで続けられる人なんてなかなかいない。

ヒトは群れる動物。
誰かに必要とされたり共感を得たりすることで安心する。
生きてていいんだと思える。
それが一つも無いとやはり
生きてはゆけないのだと思う。






家 具 14:38 -
「冬 至」

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冬至

昼間の影がもっとも背伸びする日








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滲み 溶けだし 消え入る





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影を部屋に飾れたらいい





日 日 20:12 -
「小石川植物園」
 
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潜り抜けた木々のアーチを見やる。
咽返るほどの植物の生気。

都会の真ん中に立っているという事実の方が嘘のように思える。

小石川植物園や明治神宮の森は人の手によって造られたもの。
そういうところを歩いていると思う。
造ろうと思えば造れるんだこういうの、って。

もし駅前開発の一等地に
「何も造らない。 森や公園を造る。」
なんて英断がなされたとしたら
日本は世界でも有数の豊かな国という言葉にも
深く頷けるんだけど。




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自 然 22:11 -
「移 動」

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食卓を移動した。
より陽のあたる窓際へ。
冬の日射しが心地良い。

我が家は築60年の木造家屋。
壁に断熱材は無く窓は全て木枠で隙間だらけ。
夏は灼熱で熱帯夜になると外の方が涼しく
冬は極寒で家の中で吐く息が常に白い。
毎日がちょっとした修行のようだ。
それでもこの古い家が好きなのだから仕方がない。

こんな環境下では家の中でも
「生きてゆく術」というものがある。

この移動もその一つ。
さらに寒くなるとやがてこの場所も打ち捨てられ
狭い一部屋に篭りその部屋だけで暮らすことになる。
なんだか羊飼いのような移動生活。

人生で一番寒いと
嫁いできたばかりの雪国出身の奥さんが震えていた昨冬。

その恐怖が染み付いたせいか
今季は重ね着、ブランケットに家の中での外用ボアブーツ着用等
完全武装で冬を迎えた。

その甲斐あってかこの程度の寒さならまだ全然平気。
うちではストーヴもそんなに焚いていない。

あまり無理をさせ過ぎるのも良くないと思うが
大した工夫も努力もせずに安易な方向に流れるのは好きじゃない。

暖をとる時、車を走らせる時、
自分達が排出するCO2を思いたい。

温暖化の影響で子の生存率が50%以下にまで
落ち込んでいるとも言われる極北のシロクマに思いを馳せたい。
そしていま一度考えたい。

彼らを苦しめてまでも
どうしても必要なものなのかどうかと。



住 処 22:44 -
「碗」
 
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家の棚に新しい碗ふたつ。

吉田次朗君の作品。
新たなお気に入りが増えて嬉しい。

夏椿
好きな場所のひとつ。
門をくぐった瞬間 都会の喧騒はどこかへ消え
静かで美しい日本の庭と
そこに佇む古い家に迎えられる。

こういうところ 
東京から無くならないで欲しい。



雑 記 10:43 -
「阿列布」

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庭で採れたオリーブの実。

オリーブと人との歴史はとても古く
今から6000年以上遡るとも言われている。
人類史上最古の食用オイルだそうな。
食用だけでなく灯す油や薬に石鹸、聖なる儀式にと
その関係はとても深く密だ。

油を絞るほどにはとても足りないが
塩漬けにしてありがたくいただこうと思う。

食卓にのる日が今から待ち遠しい。



中 庭 13:57 -
「日 々」

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最新号 『日々』 22号 が届いた。


多くの書店に並んでいるわけではないので
知る人ぞ知る雑誌 『日々』。

静かに存在感を放つこの佇まいがたまらなく好きだ。
カッコイイのだ。

手作り感を前面に出しながらも
それにありがちな方向へは流れずに
あくまでも繊細で上品さすら漂わせる。

生き方も作るものもかくありたい、
と雑誌に対して思うのもヘンだがそう思うのだ。




裏面もまたいい。

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不思議な御縁で今回我が家を特集して頂くことになった。
壊されようとしていた古い米軍ハウスを半年かけて夫婦で改装した家。

出会わなければもうこの世に存在していない空間。

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伝わり難いが
写真も挿絵も本当に素敵。

編集者は親世代の女性の方なのだが、
印象的だったのが「一時間も早く着いちゃったから」
と河原で摘んだ曼珠沙華の花束を抱えて笑っていた姿。

花を摘んで時を待つ。
なんだかとても豊かな響き。

作品には生き方が表れる。
改めてそう思った。


           http://www.iihibi.com/



告 知 18:29 -
「東雲色」

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泣けてくるほどの朝焼け  
眺めていますか



黒 姫 16:29 -
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