予期せぬところにほんの一瞬姿を見せる光と影。
家の中で拾う小さな感動。
その出会いはいつも不意に訪れる。
ドアの開き具合、植物の置いた位置等といった
いくつかの偶然から織り成される刹那の奇跡。
家の中のなんでもない場所が
突如スポットライトに照らし出され、
ある一瞬 劇的な光と影の舞台となる。
神出鬼没のその舞台は
そこに観客が居ようが居まいががまるでお構いなく
静かに部屋の片隅で舞台の幕を上げる。
寒くて嫌われがちな冬だけれど
決して悪いことばかりではない。
鋭角に射す柔らかなその光は
それでもやはり冬だけのものなのだ。