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美しく暮らしたい

すべてを自らの手で作る暮らし

できることから

ひとつひとつ

「残 像」

 

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初めての異文化体験というものを覚えているだろうか。

自分は4歳の時にそれを体験した。

 

親に連れられて行ったチベット文化展。

まだ幼なすぎて何をどう感じたのか自分でもわからないのだけど

そこにあった何かに、自分の中の何かが強烈に反応した。

目の前で繰り広げられる仮面舞踏の熱気、躍動する煌びやかな衣装、響く民族楽器

その人間と仮面、色彩と音とが混然となった一つの渦、夢とも現実ともつかぬ残像が

以来ずっと自分の奥中央に居座っているような不思議な感覚がある。

 

それから今に至るまで、チベット文化圏はずっと気になる地となった。

いつか訪ねたいと焦がれながら、しかし逆に簡単には訪ねたくない地にもなった。

それくらい特別な場所だった。

アジア諸国を放浪していた時も、チベット文化圏に足を向けることは敢えてしなかった。

よく旅人が口にする「呼ばれる」時を待とう、そう心に決めていた。

 

あれから数十年

去年遂に、遂に自分にもその時が巡ってきた。

 

 

 

 

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