美しく暮らしたい
すべてを自らの手で作る暮らし
できることから
ひとつひとつ
美しく暮らしたい
すべてを自らの手で作る暮らし
できることから
ひとつひとつ
報告できずに随分と経ってしまった春の自宅の解体。
床板を丁寧に剥がしてゆく。
電動工具を使い、壁際の床板を切って駄目にしてしまえば楽なのだが
一枚も無駄にしたくないので一手間かける。
床板の裏には「秋田 ブナ」の刻印。
愛着あるこの床板がブナだったことが本当に嬉しい。
その立ち姿、樹皮、木肌共にどこか女性を思わせ
群生する森の姿も繊細で美しく、とても好きな木だ。
白神山地のような大きなブナの森からやって来たのだろうか。
今出回っている「ブナ」は大体「ビーチ」という外国産のもの。
思い入れ抜きにしても貴重な材だ。新たに作る家でも大事に使いたい。
各部屋の床をそのまま再現できるよう、一枚ずつ記号と番号を記していった。
長い月日の中で刻み付けられた、人の暮らしが描く痕跡は
一枚の画そのものだと思うから。
絹毛に白化粧された若葉もまた綺麗なブナ。
日本中のブナ林同様、黒姫のブナ林も既に失われてしまっている.
だから毎年少しづつ、自分の土地にブナを植え続けている。