美しく暮らしたい

すべてを自らの手で作る暮らし

できることから

ひとつひとつ

「待雪草」

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春を告げる花、スノードロップ。先日の雪の日、庭の鉢を部屋に飾った。
フェルメールの絵画を思わせるような英語名の「雪の耳飾り」も
和名の「待雪草」も共にとても綺麗な名だ。

欧州では古くから親しまれている花で、修道院にもよく植えられているらしい。
廃墟の修道院に群生するスノードロップ。そんな風景にいつか出会えるだろうか。

うちの前の敷地にはかつてもう一軒 米軍ハウスが建っていた。 
今はもうなんの跡形もない空き地だが、冬のある時期だけほんのひと時
かつての庭の面影に出会える場所がある。土地の文字通りの片隅。
そこに水仙の花が毎年ひっそりと顔を現す。
植えた主がとうにいなくなったその場所で今もなお、誰に見せるでもなく
ただただ静かにうつむき咲いている。
どんな人がいつ、どんな思いでその球根を植えたのかはわからないけど
その水仙の咲く姿はなんだか妙に自分の心の琴線に触れてくる。

一面に群生する花も美しいが、片隅でひっそりと咲く花の姿もまた美しい。





 
中 庭 09:58 -
「庭」

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自宅展では庭の植物の欠片を部屋のあちこちに飾った。
毎朝手をかけてきた庭も来夏には取り壊される。
重機が入るその画を想像してしまうと胸の奥が少し苦しくなる。

壁一面の蔓植物も植えた時はほんの小さな苗だった。
白い毛布にくるまれ震えていた仔犬も、結婚したての未熟な人間も
みんなここで共に成長してきた。
自分達にとってはこの世に二つとない、大切でかけがえのない場所。
この場所には思い出が詰まりすぎている。





 
中 庭 19:14 -
「輪 郭」
 
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中 庭 20:12 -
「逝く夏」
 
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記憶に残る夏だった。
春から夏にかけて、今までで最も忙しい時を過ごした。
自分の限界に挑戦した日々。
本の一冊すら読めぬほど本当に余裕の無い生活だったけど、
人生においてこういう時期も必要なのだと思う。
ひとつまた自分の殻を破れた気がする。

昨夏 初めて花をつけた庭のヒツジグサ。
この夏は小さな新芽が睡蓮鉢に溢れた。
共に成長してゆけたらいいと、自分達の姿と重ねて眺める。




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中 庭 12:12 -
「朱夏の花」
 
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屋根の上で咲き誇る朱夏の花。

夏のさなかにグンッと蔓を伸ばし、
壁に窓に屋根にと花で家を包んでくれる。

この時期の散歩の帰り途は
ついついわが家を眺めてしまう。

いつも見ている古い家なのだけれども。






中 庭 23:59 -
「未 草」

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庭の未草(ヒツジグサ)が
二年越しで初めて花をつけてくれた。

小さな蕾の頃から毎日覗きこんでいる。
陽が昇ると花開いて、沈むと閉じてを繰り返す。
眠るハスだから睡蓮。

日本に古くから自生する唯一つの睡蓮で、
小さくて可憐な花を咲かせる。

名もその姿も知らなかったこの植物が、
二年前から自分達にとって特別な存在となった。

自分のなかに特別な花を持っている幸せ。

遠い記憶の淵でもなんでもいい。
人の心のなかに咲く花って素敵だ。





中 庭 10:15 -
「落し物」

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床に落ちていた植物の欠片。
多肉植物の微妙な色合いに心惹かれてしまう。





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中 庭 10:36 -
「Lilas」
 
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バスルームに漂う東欧の香り。
透明感のある浅い紫が白壁に映える。

ライラック。
「リラ」という呼び名の響きも
「紫丁香花」という和名もとても綺麗で好きだ。

ターシャ・テューダーもこよなく愛した花。
将来自分も大きなライラックの木を
黒姫の土地のどこかに植えようと思っている。

リラの花咲く頃
手紙や荷物に添えて
その香りも一緒に届けられたらいい。




中 庭 16:34 -
「冬の彩」

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アンスンエンシス

庭の冬咲きクレマチスが満開を迎えている。
写真は大寒の日に健気に花開いた最初の一輪。

冬に葉を落とすアオダモの木の彩りにと植えたのだが、
思い通りに寒々しい冬の木立に葉を茂らせ
綺麗な釣鐘型の花を連ならせてくれている。
すっかり気に入ってしまった。




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こちらは名前を忘れてしまったハーブ。 
虫除け効果があるとかで植えた。

上から眺めていると
肺胞のような、毛細血管のような。 
急にミクロの世界へ誘われる。
おもしろい。

かと思うと、
夏の夜空に打ち上がる花火のようにも見える。
クライマックスの大連発。
今度は大空へ。


何はともあれ
色も形もとても繊細で綺麗だ。





中 庭 20:41 -
「阿列布」

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庭で採れたオリーブの実。

オリーブと人との歴史はとても古く
今から6000年以上遡るとも言われている。
人類史上最古の食用オイルだそうな。
食用だけでなく灯す油や薬に石鹸、聖なる儀式にと
その関係はとても深く密だ。

油を絞るほどにはとても足りないが
塩漬けにしてありがたくいただこうと思う。

食卓にのる日が今から待ち遠しい。



中 庭 13:57 -
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